なぜ新生活を始めたか

2019年まではサラリーマンとして働いていた。
会社に不満がなかったわけではないが、辞める一番の理由ではなかった。
ではなぜ会社を辞めて新生活(特に新しいつもりはないが)を始めたか。

私はもともと田舎生まれの田舎育ちだ。
農家の三男で育ち、自宅の周りは田んぼと畑と里山しかなく、遊びは里山で虫を捕まえたり、田んぼの水路でザリガニを釣ったりしていた。
そんな環境で育ったことが一因であると思うが、小さなころから生物(植物含む)の育成に興味があり、横浜のマンションに住んでいるときも、ベランダで植物の育成を楽しんで、室内には120cmの淡水水槽を長期にわたり維持していた。

就職してから30代半ばまでは「このまま退職するまでこの会社にいるのだろう。」と漠然と思っていたが、40代直前くらいから時々退職後のことを考えるようになる。
それは、周りの人間が退職したり、会社からライフプランの設計を進められたりしたことが要因だ。
同期の人間も同じように考えていたのだろう。
このころから同期同士で飲み会があると、退職後はどうするか。いや、いつ退職するか、などの話題が出るようになる。
とはいっても先のこと、そんなに明確に計画を立てていたわけではない。
そもそも、何をするにも緻密な計画など立てたことはない。

40代に入り50歳を超えたら辞めるか...程度の考えを持っていた。
理由は、趣味の釣りや菜園での野菜の栽培をやりたい。
それなら体が動かなければ楽しくできない。
だったら50代で辞めとかないと。

仕事は、IT系の保全運用からコールセンタのSV、その他色々経験させてもらった。
どれも面白いとはいえないが仕事とはこんなもんだろう。
私の場合は仕事の内容が面白いというより、人間関係が重要で、面白い・気の合う人間と一緒にいれば内容がつまらなくても、困難でも楽しく感じてしまう。
逆に達成感があってもメンバーが気の合わない連中だと二度とやりたくないと感じる。
この辺は人それぞれだろう。

50代になり、兄が亡くなった。
兄はまじめで具合が悪くても職場へ向かうような人間だった。
やりたいことはできたのだろうか、楽しい人生だったのか、満足できていたのか。
こんなことを考えさせられた。

父も逝き、新生活の開始を決めた。
心配をかける人間の数が減ったことと、満足のできる人生にするため(ちょっと大げさ)が理由だ。

まずはマンションでは思うように植物の栽培はできない。
農業とまではいかずとも、自分の食べる野菜のほとんどは自分で作りたい。
庭もしくは畑のある一戸建てが欲しい。
釣りをするには釣り場が近いほうがいい。
会社を辞めるかどうかはどうでもよかった。
熱海方面に戸建てを探しに行ったが、住むには問題ないが建物が古いため早めの修繕が必要になりそうな物件はあった。
微妙だ。
神奈川でも探したが、高い。
土地が高いから仕方ない。

妻が千葉に物件を見つけて見に来たが、庭が狭く畑がない。
不動産屋は、畑は借りれるというが具体的にどこの誰にお願いするかは住んでから様子をみて決めたほうがいいといわれた。
建物は築年数のわりにきれいだ。
一緒に見てくれた大工も、全く問題ないとのことだ。
海は近い。車で15分くらいか。
庭の花壇を菜園にすればある程度の収穫は期待できる。
まぁ、素人の判断にすぎないけれど。
購入、移住の決断に至った。
会社は通勤が困難なので辞めることにした。

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